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学生の方へ

キャリアデザイン

学生のみなさんへ

研修プログラム修了後は将来のキャリア・デザインに向かって専修医の道を歩むことになります。どのような専修医の道を歩むかは、本人の志望や研修時の特性などによりさまざまです。専修医を大別すると、臨床に専心するか、大学院に進むかで分かれ、両者とも関連病院に出るタイミングをどのように考えるかで、さらに選択が分かれます。下記にご紹介する4つの代表例から、自分が歩んでいくキャリアを想像してみてください。

①研修修了→関連病院→慶應病院歯科or口腔外科

「武者修行に出て順応力を鍛え、即戦力の力量を大幅アップ」
研修修了後、ただちに関連病院に出張して経験を積み、それから慶應病院に戻る選択肢です。

病院にはそれぞれ個性があり、患者さんの数や重症度、病気の種類、医師の数、運営システムなど、まちまちです。関連病院に出るということは慶應以外の病院を身をもって経験する、いわば“武者修行”といえます。しかも研修を終えてすぐの早い段階での“武者修行”ですから、若い分、必然的に順応力が養われ、即戦力としての力量が大幅に、しかも速やかにアップします。それがこの選択肢の最大の特徴です。

関連病院での経験を経て慶應に戻れば、以後の専修医としての生活が、また違った意味を帯び、充実したものになることは間違いありません。
分野によっては専修医期間中に認定医/専門医の資格取得が可能です。

このキャリア・デザインを実際に歩んだ先生にお聞きしました

Q:2年間の研修後すぐ関連病院に行くことに不安はありませんでしたか?
A:不安は確かにありました。ただ、私の出張先となった関連病院は、先生の数が少なく、即戦力として期待されていたので、数多くの臨床を経験できました。それはまさに武者修行という感じで、とても有意義な2年間でした。

②研修修了→慶應病院歯科or口腔外科→関連病院

「研修医時代と同じ教育理念や環境のもとで深めた臨床経験が、後で生きる」

研修修了後、慶應病院に残り、歯科と口腔外科で研鑽を積んでから関連病院に出る選択肢です。

現在の制度では研修医の2年間で臨床をマスターすることはむずかしいといわれています。専修医として実戦的な研鑽を積むことがどうしても必要です。その専修医を慣れた慶應で始めることは、研修医時代からの連続性がある程度保たれ、長期的な治療にたずさわることも可能にします。また、慶應は重篤な症例が多く、専門性の高い高度な医療技術を目の当たりにすることができます。

こうした慶應での経験が、医師としての自信につながったと証言するOBは少なくありません。それは出張先の関連病院でも生きてきます。目前の病気を治す即戦力としてはもちろん、広い視野から治療を考えられる医師として患者さんに向き合うことになるからです。そのことが新たな問題点の掘り起こしにつながり、さらに自分の成長を促します。  分野によっては専修医期間中に認定医/専門医の資格取得が可能です。

このキャリア・デザインを実際に歩んだ先生にお聞きしました

Q:振り返ってみて、自分の選択のどんな点がよかったと思いますか?
A:関連病院では口腔外科を担当し、歯科治療の外来ももっていましたが、その前の慶應での1年間がなければ、現実問題として、関連病院での仕事はむずかしかったでしょう。一通り治療はできるという自信がついた1年間でした。

③研修修了→大学院→慶應病院or関連病院

「病気のメカニズムを研究し、その成果を臨床に生かす」
研修修了後、ただちに大学院に進むという選択肢です。

研修期間中には、なぜ治せないのか、この病気のメカニズムはどうなっているのかを根本から研究したいと思える症例に出会うことがあります。そんな場合はどうしても大学院での基礎研究が必要になります。

基礎研究では、たとえ小さな研究成果でも、テーマによっては皮膚科、整形外科、眼科などさまざまな分野に臨床応用が可能な場合も少なくありません。それを思えばモチベーションも高まるでしょう。さらに、大学院では論文の書き方、プレゼンテーションの準備や発表の仕方なども身につけることができます。

大学院に行くことで、臨床面での遅れが気になるという方もいるかもしれません。しかし、4年間の遅れを取り戻すのに4年かかるというわけではありません。また、大学院で研究活動をしながら、医学部の基礎教室に籍を置き、外来臨床にたずさわることも可能です。

基礎研究の成果を臨床へ、そして臨床で得た疑問を基礎研究に持ち込む。こうしたダイナミックな往復運動がこれからの医学の進歩には欠かせません。
慶應大学医学部の博士号取得の道が開かれています。

このキャリア・デザインを実際に歩んだ先生にお聞きしました

Q:研修修了後、すぐに大学院を選んだのはなぜですか?
A:なぜこの病気が治せないのかと考えると、どうしても病気の根本的なメカニズムを知りたくなる。つまり基礎研究が必要になります。私は再生医学に興味があったので、そちらに進みましたが、整形外科や皮膚科など異分野の先生方と接触できるのも魅力でした。

④研修修了→慶應大学病院or関連病院→大学院

「研修医から積み重ねた臨床経験があるため、専門性の高い医師として研究に取り組める」
研修修了後、まず臨床を経験し、その後で大学院に進むという選択肢です。

③の選択肢は歯学に独特なもので、通常の医学部では臨床→大学院という順番が一般的です。 研修の2年間だけでは、臨床の深い部分にまで到達するのはなかなかむずかしいのが現実です。
そこで、研修修了後、まず臨床をある程度のレベルまで掘り下げ、そこで得た疑問や問題を大学院で研究しようというのがこの選択肢です。
臨床医としての専門性を身につけた上での研究なので、研究対象も研究目的もより明確になり、それが高いモチベーションや研究成果への期待にもつながります。
また、臨床を離れる期間が長くなるという不安が解消されているのも、この選択肢の強みです。

さらに、大学院在学中にさまざまな形で臨床にたずさわることは珍しくありませんが、 臨床を経験しているので、戦力としてまったく問題なく働くことができます。
大学院在学中は医学部の基礎教室に籍を置き、臨床にたずさわったり、慶應大学の博士号取得が可能であることは、③と同じです。

このキャリア・デザインを実際に歩んだ先生にお聞きしました

Q:大学院の前に関連病院で臨床経験を積むことを選んだのはなぜですか?
A:研修の2年間だけでは臨床の浅い部分しか見えません。深いところで得た疑問を大学院で勉強しようと考えていました。それに研修後の2年間は重要です。この期間にみんなオペなどをおぼえます。大学院が終わってからでは遅い、というか苦労するだろうなと思いました。